どうも、2社経営しながらコンサルしてます。佐藤です。
僕が考えるなぜの重要性と誤解について、今日はお話ししていきたいと思います。
最近「なぜ」が流行ってますよね。でも、いくつか注意点があります。
「なぜ」の使い道ってめちゃくちゃ誤解されてて、自分が野球が好きで、サッカー部に入ろうとしている友達がいたとする。自分は野球が好きなので野球部にそいつを引き入れたいとする。「なぜお前はサッカー部に入りたいの?」「深く考えずにサッカーでいいの?なぜ?」と聞いて、むしろ野球を嫌いにさせるケースがある。なぜは「人に聞く」んじゃなくて「自分で語ろう」ってのが定説だと思ってるんだけど、なぜを人に語るのが大事、を単純に応用すると「あいつになぜを語らせる」になって酷いことになる。
ここには重大な欠陥がいくつかあって
・相手はなぜを語ることが大事だとまだ気がついていない
・なぜを聞く側がなぜなぜボットになるので野球である必然性が何もない
・遠回しに現状否定をしているので相手が意固地になる
なぜ野球に青春をかける価値があるのかを語れば
・なぜを語る重要性とエネルギーが伝わる
・野球である必然性、一緒にプレーする必然性が生まれる
・現状否定がないので相手は意固地にならない
好きなものとかやりたいことがなぜかを説明しようとすると必ず最後はモゴモゴしてくる。「やりたいからやる」って理由に辿り着くから。そこにたどり着いてしまうと感情の世界になってくる。論理は否定できるけど、感情はどうやっても否定できない。だからなぜを語るのが大事、って言われるんだけど、他人になぜを語らせようとするとその人は意固地になる
否定は存在とセットでしか生まれないので、否定しまくるとむしろ意固地になる
押すな押すなで押したくなるやつとか、ピンクのシロクマ実験と同じ
シロクマを考えるなって言われた人が一番シロクマを記憶してしまっていた実験
アザラシを考えましょう、と言われればシロクマを忘れるのに、OOしたらだめなんだと繰り返しまくることで相手に焼き付けてる
なぜをそのまま投げない
「OOしたいんだよね〜」に対して「なぜ?」
と聞いてしまうと、多くの人は攻撃されたように感じて身構えます。それをコンサルティング業界では「不細工な質問」と呼ぶんですね。
そして、なぜ?をそのまま投げても、いい回答が返ってくることはほぼありません。綺麗になぜを言語化できる人は早々いないからです。素人がやると半分攻撃になりますから。
なぜの重要性を伝えて、なぜ、なぜが重要なのかを共有しておかないと相手は嫌な気持ちになります。
じゃあどうしたらいいのと言いますと、
なぜと聞かずになぜを聞く
ことが大事。イメージは一歩ずつはしごを降りていく感じ。なぜをいきなり聞くのは高いところから飛び降りようとしているんですが、少しずつ深めていけばちゃんと相手は答えられますよね。
(誘い水とか言ったりもしますが、はしごを降りていくイメージで問題ないと思います。)
で、その一番良いトレーニングは
頭の中でずっとこれをやる
だけ。
勝手にこっちで深めて、それをぽろっとこちらの口から出す。否定的なニュアンスではなく、肯定的ニュアンスでぽろっと口から出せば良いんです。
「なぜ?」を直接聞いてしまう人って、たぶんなぜの重要性を根本部分から誤解してるんじゃないかと。
単純直結的な問いと答えにならないように
問い→答えにならないようにしましょう。好き嫌い得意不得意は雑談の中から発見するといいです。
1+1になってしまうから。相手でも自分でも直接的に問いかけるとフリーズするんですよ。「俺は何が嫌いなんだ」「俺は何が好きなんだ」と聞くと分からなくなるので、好きな音楽、好きな映画とかから攻めていくんです。
パって話したいことを話せばいいし、方向を勝手に決めないようにしましょう。
自由気ままにあーでもないこーでもないとやっていくと。
ビジネスもそうです。ニーズを調整している内にどんどん自分のやりたいことと離れていってしまう。ビジネスだから…とか考えてると納得できないことをやるとビジネスがややこしくなって結局儲からない。
成功しやすくするためには「Why」の部分がいるんですね。自分は何を伝えたいのか。相手に理解して欲しいのか。
採用活動もそうですよね。なぜ自分がこういう世界を実現したくて、なぜこういう人を集めたいのかを伝えていく。表明していくこと。
そして、相手にWHYを問う場合、
本当の相手への興味が重要
上っ面のテクニックで質問をしているのか、本心からの相手への興味なのかは、面白いくらいばれますし相手に伝わります。
僕の見た事例ですが、「なぜ?」と聞いておきながら、「それはおかしくない?」という質問を返していたんですね。
自分の意見に近い結果が欲しい「なぜ」だから聞いていると違和感があるんです。相手の答えに対して「それは違う」とか言っているから。
「なぜやるか」は人に語ること。人にしつこく問うものではない。「なんで野球やるの」を聞きすぎると「お前のやってることが理解できない」って言ってるのと同じだし、うっとうしくなる。悪意無く人はそうなる。
で、「疑問が大事」なのはそうなんだけど、本当にもう一歩進めて考えると「疑問が大事」ってロジックを他人に押しつけることは「本当に大事なのか?」を考えるので、疑問を持つにせよ鵜呑みにはしないし、強要もしないと思うんだよな。
それって、質問ではなく誘導尋問。本当に相手に対する興味からくる「なぜ」じゃなく、テクニック的な印象を受けまして。
これが本当に上手くなってくると覆い隠せる人もいるでしょうが、そもそもその質問に何の意味があるのか?って事になってきますから。
まずは相手への本当の興味を持ちましょう。
相手への本当の興味を持つには
これはもう慣れるしかないんじゃないでしょうか。
あと多分自分に余裕を持つことですね。余裕があれば周りを見る目が育つけど、余裕がないときって自分の事ばかり、奪おうとしてばかりになっても仕方が無いかなと。マズローの欲求5段階説でこんな説が提示されてます。
下の方にいると奪おうとするが、上の方にいると自分の内側から発生してくると。金銭的・精神的な余裕を持って人を助けることを繰り返していれば、本当の意味で人に興味が持てるようになるはずです。
なぜの質を高めるにはまずは自分を満たすことですよ。
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