気を遣って主張しないんだろ、などと言っている人がたまにいますけれど、主張すると面倒なことになるから主張しないんだと思います。
何かを主張するとそこには必ず責任が乗っかってきます。で、これを言うと自己責任を取ることから逃げているんだ、などとゴールポストを動かそうとしたがる人もいますが、話を最後まで聞いて下さい。
責任というのはそもそも取ることが不可能なものです。つまり、責任という言葉が出てきた時点で最悪の事態が起きているし、もう失われたなにかは帰ってきません。
例えば、腕を怪我させてしまったらその人は痛いわけです。その痛みは薬で多少弱めることができるかもしれないけれど、無くなるわけではないはずです。
つまり、責任という言葉がまともに機能するのは「問題が起きる前」に限ります。頭を抱えながら何かを判断しても、その判断は酷いことになる可能性が高いんです。
(つまり、事故を起こしてから助手席の指示が悪かったのか、運転手が悪かったのかなどと話していたら大変なことになってしまうから、運転手を邪魔する助手席の人間を降ろしても良い、と決まってるんですね。)
で、問題が起きる前に責任を取る人を明確にしておくことで、それ以外のメンバーが力を抜いて行動できるようになるのが責任の役割です。
例えば最高経営責任者はいくら有限責任とはいえ、何かをやらかせば資産が減ります。「給料が減る」のって資産が減っているわけではないですよね?
+20万だった給料が17万に目減りしたり、仕事を辞めて+-0になったりすることはあっても、仕事で貯金残高が減る、という感覚は自分で経営をしないとわからない間隔だと思うんです。生活費とは別にお金が減っていく感覚。
つまり、問題が起きた後に責任について話している人は、
単純に問題をどこかになすりつけたいんだ、ということです。
実はここからがめちゃくちゃ重要な点だと僕は思っているのですが、
自己責任について本気で何かを考えている人は他人に責任について安易に語らない物です。
なぜなら、自分にもこの責任があった、と考えている限り
「あなたの責任」という発想が最初に出てくるのはおかしいからなんです。
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