数値化のデメリットは情報量の減少
例えば、音楽の生音を数値に変換すると情報量が下がりますよね。mp3などのファイルに変換することで、生音からどんどん品質が落ちていくわけです。mp3のサイズを落とす毎に容量も下がる。
実物と写真との差と考えて貰ってもいいでしょう。
音楽はライブの感動が薄れることは間違いありません。クラシックのホールやライブハウスや野外コンサート会場などの感動と、音源の感動。
「全く同じ」ということはあり得ないと思うんです。つまり、単純に数値に変換することで、情報量の減少が起こります。
わかりにくいかもしれないのでもう少し例えをふやしていきますが、
最悪はYESかNOで答えろってやつですよ。
YESかNOで答えろの問題点
YES・NOということは0か1かですよね。
これを相手に求めるとどうなるか。
0か1かってことはつまり、100のうちの49ならNOと答えて、100のうちの51ならYESと答えさせる可能性があるってことです。
「確率を上げるための作業」が疎かになります。失敗するかもしれないのにイエスと答えて結果的に失敗する。
なぜYESNOを求めてしまうかというと、それは大量の情報を処理できないからそうなるんですよ。
例えば経営者はいつも大量の情報を処理しています。膨大な情報を処理することで、微妙な結論の差を導いていく。
でもそれができない人がYESNOを求めてしまう。
そもそも微妙な結論を考えたくない、という場合もあるでしょう。問題に気が付いてしまったら面倒だ、という場合もあるでしょう。
無批判に何かを信じることで、いくか、いかないかという結論しか信じられなくなってしまっている状態。
「途中までは自転車で行って一度電車に乗り換えて最後は歩く」
という判断ができずに
「行く!」
としか判断できていないのがYESかNOかを求める人です。
例えばプロ野球選手のバットを振る微妙な感覚を数値にできるでしょうか。バットを振ってホームランを出すロボは再現できるかもしれません。
でもそれは感覚を再現できたわけではないんです。
数値化のデメリットは感覚が鈍くなること
情報量が減って結果的に、と考えて貰ってもいいかもしれませんが、大きな問題は人の悩みが理解できなくなることです。
ビジネスが成立する条件って常に「悩み」なんですよ。もっと綺麗になりたい、もっとお客さんを集めたい、もっと楽にブログ記事を書きたい、もっと食欲を満たしたいなどなど。で、悩みって数値化できない。
「牛タンが186グラム食いたい」とか考えないじゃないですか。もっとザックリしてますよね。何が何ページ読みたいとか考えない。
ブログ記事外注なら何文字とか設定して依頼するでしょうが、本質的に求めているのは文字数じゃないんですよね。1500文字を求めるなら「あああ」x500で良くなっちゃうので。
悩みの解決って視点を持たないと、顧客の悩みの解決とどんどん乖離していきます。
つまり、YES・NOで考えたい人は他人の微妙な心の機微を読み取れなくなっていく。
段々と馬鹿になっていってしまうということなんです。
数値にすることは重要ですが、デメリットも頭に入れていただいて使ってください。
薬と同じで、作用と副作用がありますから。
わかりやすくなる代わりに難しいことに対応できなくなる。そういった性質には十分にお気をつけて。
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