読書の戦略
インプット 抽象化・構造化 ストック という4つのモジュールからなるシステムと考える
戦略
どのようなテーマについての戦闘力を高めようとしているか、方向性を考える
インプット
方向性に基づいて、本やその他のソースから情報をインプットする
抽象化・構造化
インプットした知識を抽象化したり、他の物と結びつけたりすることで、自分なりのユニークな示唆・洞察・気づきを生み出す
ストック
獲得した知識と、抽象化・構造化によって得られた示唆や洞察をセットとして保存し、必要に応じて引き出せるように整理しておく
何を読むか、どう読むかでは戦闘力を高められない
名言
学んでも考えなければ洞察は得られない、一方で考えるだけで学ばなければ、独善に陥る可能性がある
「 子 曰わ く、 学ん で 思わ ざれ ば 則 ち 罔 し。 思う て 学ば ざれ ば 則 ち 殆 し」
山口周. 知的戦闘力を高める 独学の技法 (Kindle の位置No.307-308). ダイヤモンド社. Kindle 版.
歴史を学ぶ場合はそのケースの当事者として自分を置いてみた場合、どのように振る舞うかを考えてみる
武器を集めるつもりで学ぶ
強大な敵が迫っているとき、何の考えなしにはきっと集めない
どのような戦い方をするか。自分の強みはどこで、それをどのようにすれば武器で強化できるかを考えるはず
何をインプットするかと同時に、何をインプットしないかも重要
アイザックソン ジョブズiiより 何をしないか決めるのは、何をするのか決めるのと同じくらい大事 会社も製品も
戦略は粗い方向性だけでOK むしろ精密な物にしないほうが良い 偶然の学がもたらす洞察や示唆を得られないことになりかねない
インプット
あらゆる媒体からインプットはできる
ガリレオ 天文対話より サルヴィアチの言葉 どうして君は他人の報告を信じるばかりで、自分の目で観察したり見たりしなかったのですか
抽象化・構造化
文学・歴史・哲学などの人文科学系はビジネスとは直接的な繋がりを見いだしにくい
何らかの抽象化・構造化をした上でビジネスや実生活上への示唆を抽出すること、意味づけが必要になる
二重権力構造からの示唆の例
欧州にはローマ教皇と各国の君主 中国は宦官と科挙 日本は将軍と天皇
長く続く体制には権力の集中を防ぐカウンターバランスシステムが働いている
この仮設は組織設計論やガバナンス、マキャベッリの君主論から権力とリーダーシップに結びつけることで、
新しい情報の組み合わせが生まれる
これが構造化、設定してあるテーマとの結びつけ
注意しておきたいのは、抽象化された定理は真実である必要は無く、仮説で構わない
??ではないか?という問いとして設定されるがこのような問いが更にインプットの感度を高める
ストック
何でもいい、どこでも引き出せるEvernoteなどを使用
テーマが主、ジャンルが従
哲学を学ぶ 歴史を学ぶではだめで、自分が追求したい論点を考える
- イノベーションが起こる組織とはどのようなものか
- 美意識はリーダーシップをどのように向上させるのか
- 共産主義革命はいまだ可能なのか
- キリスト教は悩めるビジネスパーソンを救えるか
ジャンルから入ってしまうと誰かが体系化した知識の枠組に沿うことになるので、その人なりの洞察や示唆が生まれにくい
組織における権力構造を学ぶ様々なジャンルから示唆を受けることができる
ローマ人の物語 君主論 ゴッドファーザー 猿学
ジャンルに沿ってカリキュラムを組むのは書店の店員さんにカリキュラムの枠組を決めてもらうのと同じこと
だからそれをあなたの強みってここですよねといわれると当たり前なんですけどと思ってしまう
一方で周囲の人達にはできるのに自分にはできないことに意識を向けてしまい、無い物ねだりをしてしまう
しかしそのないものを一生懸命に努力して獲得したとしても、せいぜい人並みにしかならない
しかしこれでは厳しい
人並みな物には誰もお金を払わないから 経済価値が生まれない
人がお金を払うのはいつもユニークなもの そして、自分と他者を差別化するポイントは 常に本人が当たり前と思っていることの中にこそ潜んでいる
・2つのジャンルのクロスオーバーを考える
・掛け合わせるジャンルは自分の持っている本性や興味を主軸に選ぶべきで、他人が持っていて自分が欲しいものを主軸にしてはいけない
独学の戦略がはっきりしていないと、成果につながらない
知的好奇心ではなくインテリを気取って自慢したいという気持ちに駆動されていると、インプットは消化されず素通りしていく
確かこんな話をどこかで読んだ気がするというレベルのアプトプットで、シリアスな状況でアウトプットしてしまったら、知的戦闘力の向上どころではなく、知的ブランディングは地に塗れることになる
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