まず、大前提から説明します。
ニーズ=必要
ウォンツ=欲しい
と理解しておいてください。
ニーズの発生
ニーズと言うよりは時代の動きにそって動くのが一番簡単です。ニーズは多様化しすぎていて追っかけられないからです。細かくなりすぎてるし、全体として世界がどう流れているかがあります。そこに乗っかっていればある程度なにを出してもヒットするので、まずは世界の流れを捉えられるようにして下さい。
新しい技術が普及していったり、環境が変化したりで、勝手に発生していくものです。
なので、そこに対してニーズが先にあるので、供給側が乏しかったり、もしくは最適なものがまだなかったりするところ、つまりニーズがすくいきれていない所に入っていくっていうのがおすすめです。
例えばはんぺんを年300万円買って欲しいって「無理な」「独善的な」ビジネスになりますよね。
ニーズとウォンツの具体例
具体例は「砂漠の水」がニーズ、「水には困ってないけどミネラルウォーターの方が美味しいからそっちがのみたい」って感情はウォンツです。
普通の小さくて汚いディスプレイでも仕事ができるけど、解像度が高くて綺麗な大きいディスプレイで仕事をしたいって思ったらウォンツです。
もっと快適なパソコンに買い換えたくなったらウォンツです。(壊れる寸前で使うこともままならない…とかだったらニーズ)
具体例はいくらでも出てくるので、これを読んでいるあなた自身で考えてみてください。
ニーズとウォンツはどちらが重要なのか
もうちょっと話を深めていきましょう。
ニーズによって購買が起こる時代はほぼ終わってます。なので、ビジネスをするならさらなる飛躍をしたいですよね。で、ニーズに訴えかけるような物はなかなか難しいです。不可能ではないです。でも非常にハードルが高いんですよね。
なぜなら、ほとんど日本は満たされてるからです。月のお小遣い2万で困ってる人も、服は着れる、電車に乗れる、会社に行ける、ご飯が食べれる、家があるわけです。雨風しのげますよね。
つまり、ニーズはほとんど満たされてるんですよ。
ニーズは生きるために必要な物です。
まずはこれを頭にたたき込んでおいてください。
「パンのみにて生きるにあらず」このパンのことをニーズといいます。
「わたしたちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られねばならない」『暇と退屈の倫理学』
「バラを手渡せば、この手にも香りが残る」中国の諺
興味関心の多様化により、ウォンツの重要性が増している
パンが必要すぎて必死で買う人はいません。パンにしようかご飯にしようかうどんにしようかそれとも外食か、悩める余地がある。そういうもので飛躍一発逆転をねらうのは難しいです。
でも、圧倒的に美味しく雰囲気の良い外食を安く提供できれば人は殺到するでしょう。それはウォンツを満たしているからです。
美味しい物を、安く、素敵な雰囲気の中で食べたいというウォンツ。
興味関心が非常に多様化してる
Aさんは1って物に興味がある
Bさんは2って物に興味がある
Eさんは3に興味がある
これらの重なりに必然性はないですよね。つまり、完全にウォンツの領域なんです。生きていても死なないから。生きていく上では必要が無いけど欲しくてたまらないものばっかりの世の中になってしまった。
昔はニーズとウォンツが半々くらいだと考えられていましたし、そうでした。なぜなら、物質的に満たされていなかったからです。今はウォンツがほとんどを決めているんですね。殆どの物がそもそもなくてもいいもんだからです。
トイレが臭くたって死にません。でも人間は消臭剤を買うんです。
ペンが50円でも困りません。でも人は好きなペンを買うんです。
さて次。
例:紙とペン
極論を言ってしまえば、チラシの裏と拾ったボールペンで良いですよね?
それでも人はかっこよくて高いノートとかかっこよくて高いペンを買う。必要性(ニーズ)はないんです。ほぼウォンツ。極端な話をすれば贅沢品ですよ。何万円もするペンや何千円もするノートが売れるわけですから。
一つの考え方として、税務署がNOっていうものは明らかにウォンツです。10万円とかのペンを100%経費で突っ込まれないかというと微妙ですね。カバンは業務で使えますが、エルメスのバーキンはさすがに経費にならないと思います。それは仕事にいらないからです。
極端な話二宮金次郎みたいに紐で縛って持ち歩いても良いからですね。笑
税務署NOが入るカバンはニーズとはいえないし、納得した物が欲しいとか、それはウォンツの領域です。
つまり現代では
購入をモチベートしていくものはウォンツ
モチベーターとして考えるのはウォンツ
比重を傾けて欲しいんですね、
ウォンツ9割
ニーズは1割
くらいに考えても良いかもしれません。だからニーズなんて補助輪くらいなもので、メインのタイヤとなるニーズを深刻に考える時代は終わったんですよ。
「最近買ったもの」で「買わないと死ぬもの」がどんだけあったの?
物質主義は限界なんです。そして、興味の無いものは存在しない物と同義になってきてしまった。
例えば上手にプラモデルを作る道具はプラモファンだけが必要でしょうし、筋トレグッズや筋トレサプリメントは興味ない人は存在しないのと同然ですよね。
趣味の道具なんて全般がそうです。ほとんど100%ウォンツ。
大企業やデカいビジネスでは捉えきれないニーズやウォンツがある。
大きいビジネスで解決できない問題が沢山ありますね。
ニーズがとにかく多様化してるからです。デカい企業が一つの商品をポーンと出して満足しなくなってる。
大きいビジネスではとらえきれないニーズが増えてます。欲求やニーズやウォンツが常に変化し続けているのに、大企業じゃそれに食らいつけなくなってきているんですね。
ちょっとした余談ですが、
プロと素人の解像度の違いってすごいと思う。それが見えていてあえてやってない場合と本当にできない場合があるけど、7割方見えててやってない。でも素人の側はすべて「できないからやってないのだ!」と思い込む。解像度粗めで分かったようなこと言うなよ、と7割くらいプロの側は思う。
以上余談でした。
最高の商品とウォンツの関係性
最高のポテトチップスが常に売れるわけじゃありません。北海道の何とか牧場で作っている塩味も厚みもスパイスも完璧なポテトチップスがあったとします。
でも、全ての人にとってそのパーフェクト・ポテトチップスが最高って訳じゃないですよね。
ある人にとってはアンパンマンチップスが最高かもしれない。プリキュアチップスかもしれない。妖怪ウォッチや鬼滅チップスかもしれないし、ビーガンチップスが最高かもしれません。
これが大企業じゃウォンツに食らいつけない原因です。何となく理解できましたでしょうか。
ニーズは常に上昇する
人間は3歩くらい先を常に見ていたい生き物なので、一人の人間の問題解決を完全に達成することはありえません。
ちょっと一時的に満たされても常に何かが欲しくなるし、何かがやりたくなる。じゃなきゃビルゲイツや前澤元ZOZO社長はもう仕事しなくてもいいはず。お金は充分持ってるから。
で、仕事より何か上のものにウォンツがすりかわって、仕事が手段になったんです。
こういう観点から考えてみても面白いと思います。
ウォンツは湧かせることができる
興味のなかった人に興味を湧かせることができるように、ウォンツはある程度、こちらで戦略的に作っていくことができるんです。SNSで何かを見つけていきなり欲しくなった経験はありませんか?
サイトのブランドストーリーや開発者のこだわりを読んでもっと欲しくなってしまった経験はありませんか?
インフルエンサーがオススメする雑貨が凄く素敵に見えて、買ってしまったことはありませんか?
Youtuberがオススメしているコンビニ食品を思わず買ってしまった経験はありませんか。
そういうことです。
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